相続税について

  • Q63 争族にならない秘訣はありますか?

    生前に被相続人が相続人に対して自分の財産をどのようにしたいのか話しておくべきです。相続人の知らないところで遺言を残してもそれが原因で争族が起こることが多々あるからです。
    相続対策は「税金対策」と「争族対策」の両方を考えておくべきです。

  • Q62 借入金は自動的に相続するって本当ですか?

    借入金に限らず、被相続人の債務は相続放棄しないかぎり自動的に法定相続割合で引き継ぐことになります。
    又、保証債務も引き継ぐことになりますので相続は財産だけを引き継ぐのではないことを自覚すべきです。

  • Q61 相続税の調査について教えて下さい。

    全ての相続税の申告に対して相続税の調査が入るわけではありません。調査が入る確率が一番高いのは預貯金の申告漏れ、名義預金の申告漏れ、生前贈与の申告漏れが考えられます。
    相続税の調査の前には必ず税務署は金融機関を事前調査します。
    その調査は被相続人の妻、子供、孫、場合によっては子供の配偶者の過去の通帳にまで及びます。そこで問題点が発見された場合に実地調査となります。

  • Q60 生前贈与加算って何ですか?

    相続開始前3年前に被相続人から相続人に生前贈与した財産は相続税の計算上、相続財産に加算される制度です。又、その贈与時に贈与税を支払っていた場合にはその贈与税は相続税から差し引くことができます。

  • Q59 延納制度について教えて下さい。

    相続税を申告期限までに全額支払うことが困難な場合に相続税を分割払いし、利息を支払ってでも選択する制度です。
    その利子税は相続財産のうちに占める不動の割合と延納の期間に応じて異なります。

  • Q58 物納制度について教えて下さい。

    相続財産に不動産などが多く、金融資産が少ない場合相続税を現金でなく、不動産などで納付することができる制度です。しかし、要件がきびしいので実行にあたっては専門家に相談してください。

  • Q57 相続税の2割加算って何ですか?

    相続又は遺贈により財産を取得した人が、一親等の血族や配偶者以外の場合には相続税が20%増しになります。

  • Q56 相次相続控除について教えて下さい。

    今回の相続税申告前10年以内に被相続人が相続又は遺贈により財産を取得していた場合には一定の算式のもとに前に支払った相続税を控除できる制度です。

  • Q55 障害者控除について教えて下さい。

    相続人の中に障害者がいる場合にはその障害者が満85歳になるまでは1年につき6万円(特別障害者の場合には10万円)が相続税額から控除されます。

  • Q54 未成年者控除について教えて下さい。

    相続人の中に未成年者がいる場合にはその未成年者が20歳に達するまで1年につき10万円が相続税額から控除される制度です。

  • Q53 配偶者の軽減制度について教えてください。

    相続人のうち配偶者については法定相続分(妻と子供が相続人の場合妻の法定相続分は2分の1)か1億6千万円のどちらか多い金額まで相続しても妻の負担すべき相続税がゼロである制度です。

  • Q52 小規模宅地の特例とは何ですか?

    一定の要件を満たせば、240㎡迄の居住用の土地、400㎡迄の特定事業用土地については相続税評価額が80%減額される制度です。
    この制度を使う時は、特に相続財産に土地が何種類もあるときにはどの土地に適用するのかについては専門家にご相談ください。

  • Q51 被相続人がなくなる前日に預金を500万円おろしました。この場合どうなりますか?

    お葬式の費用等に使われたのでしょうが、相続開始の日の手持ち現金500万円として申告します。

  • Q50 相続税のかからない財産はありますか?

    お墓は相続税の対象にはなりません。

  • Q49 香典は課税されますか?

    非課税です。その代わり香典返しは相続財産から引けません。

  • Q48 葬儀費用はどこまで引けますか?

    葬儀の日前後の費用、お布施などが引けますが、四十九日の費用やお墓の取得費用は引けません。

  • Q47 被相続人は友人の借入金500万円の連帯保証人になっていたこと がわかりました。この500万円は相続財産から差し引くことができますか?

    保証債務は相続開始時点では未だ債務として確定していないので控除は、不可です。

  • Q46 相続財産から差し引くことができる負債とは何ですか?

    被相続人の銀行借入、未払住民税、未払固定資産税などになります。

  • Q45 生命保険を法定相続人以外の人が受取人となっている場合にはどうなりますか?

    この受取人も相続税の申告を行う必要があります。又、この場合には生命保険から500万円×法定相続人の数を控除できないので要注意です。

  • Q44 死亡退職金はどうですか?

    死亡退職金も生命保険同様、500万円×法定相続人の数だけ退職金から控除して相続財産とすることができます。

  • Q43 生命保険はみなし相続財産とききましたが?

    生命保険はその受取人が相続を放棄しても受け取ることのでき財産となります。又、受取人が法定相続人の場合、500万円×法定相続人の数だけその生命保険から控除して相続財産とすることができます。

  • Q42 名義預金について教えて下さい。

    被相続人の妻が専業主婦で夫の稼ぎを妻名義で多額の預金を残していた場合のその妻名義の預金などを言います。この預金は被相続人の預金として申告すべきか検討を要します。
    又、子供名義の預金があっても通帳の印鑑が被相続人と同じだったり、子供が自分名義の預金がある自覚すらない場合にはこれも名義預金として被相続人の相続財産に加算されます。

  • Q41 不整形地って何ですか?

    土地の形状がいびつな場合、四角形な土地(整形地)と比較し最高3割程度評価額が低くなります。

  • Q40 著作権はどのように評価しますか?

    被相続人の生前の印税収入をもとに一定の算式で評価します。

  • Q39 書画骨董はどのように評価しますか?

    通常精通者の意見を参考に評価します。

  • Q38 広大地って何ですか?

    一定面積以上の土地(東京井国税局管轄内だと500㎡以上でマンション用地に適さないなど一定の要件を満たすと、6割弱の評価になる制度です。

  • Q37 契約者が被相続人、被保険者が子供である生命保険はどのように評価しますか?

    生命保険の権利の評価といい、相続開始時点の解約返戻金で評価します。

  • Q36 ゴルフ会員権の評価について教えて下さい。

    流通価額の70%で評価します。

  • Q35 証券信託の評価方法を教えて下さい。

    銀行や証券会社に残高証明を依頼すると相続開始時点の評価額を計上
    したものを入手できます。取得価額がわかり含み益が計算できると、所得税相当額(約2割)を控除できます。

  • Q34 同族会社の株式の評価方法を教えて下さい。

    相続開始の日の貸借対照表又は直近の決算書の貸借対照表をベースに計算した純資産価額と類似業種の株価から算出した評価額。様々な条件がある為評価方法の詳細は割愛します。

  • Q33 上場会社の株式の評価方法を教えて下さい。

    上場株式は市場で売買されていますので常に株価が変動します。            
    相続開始の日の株価、相続開始の日の月の毎日の最終価額の平均額、相続の開始の日の前月の毎日の最終価額の平均額、相続の開始の日の前々月の毎日の最終価額の平均額のうち一番低い価額で評価します。

  • Q32 借地権と底地の評価方法を教えて下さい。

    国税庁発表の路線価図に借地権割合が記載されています。
    250Bと記載されていれば1㎡25万円の土地で借地権割合80%を意味します。その土地が100㎡だとすると25万円×100=2500万円の評価の更地で、借地権が80%の2000万円、底地が20%の500万円の評価額となります。

  • Q31 マンション一部屋の評価方法を教えて下さい。

    建物部分についてはその部屋の固定資産税評価証明書の金額になります。
    土地部分については、マンション敷地全体の評価を行い、その部屋の所有者の敷地の持分割合を乗じて計算します。

  • Q30 固定資産税評価額はどこで調べるのですか?

    東京都だと都税事務所、県の場合には市役所に申請します。

  • Q29 建物の評価はどうなりますか?

    固定資産税評価額になります。

  • Q28 貸家の土地の評価はどうなりますか?

    自用地(更地)の相続税評価額が3千万円とし、借地権が7割の地域の場合、貸家建付地として評価し3千万円✕(1―0.7×0.3)=2370万円となります。

  • Q27 田舎の土地で路線価がない土地の場合はどうしますか?

    倍率地域の表もあり、土地の固定資産税評価額に倍率を乗じて計算します。

  • Q26 土地の評価はどのように行うのですか?

    国税庁で毎年発表している路線価図から該当する土地に隣接する道路に付いている1㎡あたりの金額に土地の面積を乗じた金額です。土地の形状により安くなったり、角地の場合や2つ以上の路線に面している場合には高くなります。

  • Q25 申告期限まで申告しない場合どうなりますか?

    相続税額の10%から15%の不申告加算税が課税されます。期限後でも自主的に申告した場合には5%で済みます。

  • Q24 相続人が数人いる場合、バラバラに申告しても構わないのですか?

    相続税の申告は相続財産全体を把握しないとできません。通常は一つの申告書でまとめて申告します。

  • Q23 相続税の申告期限について教えて下さい。

    被相続人の相続財産が基礎控除を超える場合、相続開始の日から10ヶ月以内に申告しなければなりません。

  • Q22 具体的な手続き(遺留分減殺請求)はどのように行うのですか?

    相続の事実を知った日から1年以内又は、相続開始から10年以内に家庭裁判所に申請する必要があります。

  • Q21 遺留分って何ですか?

    遺言により特定の人に財産が偏って相続されても、法定相続分の2分の1は財産を相続することのできる権利をいいます。

  • Q20 限定承認について教えて下さい。

    財産より負債が多くても相続放棄をせず、財産の範囲で負債を相続するやり方が限定承認です。しかし、財産の中に不動産がある場合、みなし譲渡所得が発生しますので限定承認を行おうとする時は必ず専門家に相談して下さい。相続放棄は個別でもできますが、限定承認は相続人全員の同意が必要です。

  • Q19 妻と子供3人が法定相続人で子供の一人が相続放棄した場合の相続税の計算はどうなりますか?

    相続放棄があっても法定相続人の数は変わらないので相続税の総額は同じになります。

  • Q18 遺産分割協議書にはすべての財産を記載しますか?

    不動産の分割協議書、金融資産の分割協議書など財産毎の分割協議書を作成することも可能です。

  • Q17 遺産分割協議のやり直しは可能ですか?

    原則不可能です。再分割は贈与税を課税される恐れがあります。
    しかし、法定相続人が後から発見されたような場合には当初の分割協議は無効になりますので分割協議をやり直すことになります。

  • Q16 法定相続人に未成年がいるのですが、実印がありません。

    妻と子供2人が法定相続人で子供の一人が未成年である場合。
    親権者がこの未成年者の法定代理人になります。しかし、親権者である妻は利益相反になるので法定代理人になれませんので別な人を特別代理人として家庭裁判所に申請することになります。

  • Q15 遺産分割協議書について教えて下さい。

    法定相続人が複数いる場合で遺言がない場合、遺産分割協議を行わないと財産を分けることができません。文面はワープロで作成できますが、自筆で署名しておかないと後々トラブルのもとになります。又実印が必要になります。

  • Q14 裁判所の検認とは何ですか?

    自筆証書遺言の内容に間違いないか、裁判所に判断してもらう行為です。自筆証書遺言は作成した後封をして保管します。その遺言の保管者は相続発生後所轄の家庭裁判所に申請し、封をしたままの遺言を裁判官の前で開封します。

  • Q13 遺言について教えて下さい。

    遺言には自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3つがあります。公正証書遺言は公証人へ遺言の内容を伝え作成します。費用はかかりますが遺言の効力を確実に残せます。自筆証書遺言は手軽に作成できますが書き方を間違えると無効になる可能性があり、相続発生後裁判所の検認を受けるまでは封をしておきます。
    秘密証書遺言は自分で作成しその存在のみを公証人役場に証明してもらう遺言です。

  • Q12 生前放棄は可能ですか?

    たとえ公正証書などで残しておいてもできません。ただし遺留分の生前放棄は家庭裁判所への申請で可能です。

  • Q11 相続放棄する場合の注意点は何ですか?

    放棄する前に預金の名義変更をしてはいけません。その時点で単純承認(相続)したものとみなされ、相続放棄ができなくなります。

  • Q10 負債がどのくらいあるかよくわからない場合どうしたら良いですか?

    この場合家庭裁判所に対し、更に3ヶ月の放棄の延長を申請することができます。その間に相続人の財産債務を調べ、放棄するかどうか判断します。

  • Q9 相続放棄について教えて下さい。

    明らかに被相続人の負債が多い場合相続放棄をする場合があります。
    正式に放棄するには、相続があったことを知った日から3ヶ月以内に被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てをしなければなりません。

  • Q8 私は伯父さんから相続財産を1千万円取得しました。相続税はいくら払えば良いのですか? 

    伯父さんの相続財産の総額や負債の額、法定相続人の数などがわからないとあなたの相続税はわかりません。

  • Q7 相続税の計算のやり方がわかりません。

    相続税の計算は次のようになります。
    ①被相続人の財産の総額と負債を調べます。
    ②基礎控除以下であれば申告不要です。
    ③財産総額―負債―基礎控除=課税財産
    ④課税財産を法定相続分で按分し、税率を乗じそれぞれの相続税を算出し、その合計が相続人全体で納付すべき相続税です。
    ⑤その人が納付すべき相続税は、相続税総額×取得した財産/財産総額です。

  • Q6 特別養子はどうなりますか?

    一定の要件で行う特別養子制度の養子は実子と同じ扱いになりますので常に法定相続人となります。この場合特別養子は元の親の相続人になりません。

  • Q5 養子は元の親との相続関係はどうなりますか?

    養子は元の親と今の親両方の相続人になります。

  • Q4 養子は相続人になりますか?

    実子がいる場合、養子が2人以上いる場合には一人だけ法定相続人にカウントとされます。実子がいない場合には2人とも法定相続人となります。

  • Q3 法定相続割合とは何ですか?

    相続する権利の割合をいいます。
     妻、子供2人の場合 妻1/2 子供一人につき1/2×1/2=1/4
     妻と被相続人の両親の場合 妻2/3 両親一人につき1/3×1/2=1/6
     妻と被相続人の兄弟3人の場合 妻3/4 兄弟一人につき1/4×1/3=1/12
    又、妻がいなくて相続人が子供2人の場合 子供一人につき1/2となります。

  • Q2 法定相続人って何ですか?

    民法で定めている相続人となる者をいい、相続の順序も定められています。

  • Q1 相続税の基礎控除って何ですか?

    3千万円+600万円✕法定相続人の数で、被相続人(亡くなった方)に相続税がかかるかどうかの目安になります。
    妻、子供2人の場合4800万円になり、相続財産から負債、葬儀費用を差し引いた額が基礎控除を超えると相続税の申告が必要になります。

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